旧平尾家屋根工事②
- 2023/03/29 16:42
- Category: 修理工事
Before

After

屋根板を新しく取り替えたわけではなく、裏返して使う再利用です。
置石や板が整えられました。
これら屋根板はすべて手作業で割っていることは、すでにお伝えしていますが
なぜ、機械で割らないのか?と質問を受けることがあります。
機械製材の板を使ってもいいのですが、
残念ながら早く屋根が傷みます。
写真の右下の板の束をよく見てください。
長手方向(木の繊維方向)に溝ができています。

これが大事なんです。
機械で板を切ってしまうと、木の繊維が切断されます。
また、つるっつるの溝のない綺麗な表面になり、
仕上がりは美しくなりますが、水の当たる屋根には
この美しさがあだとなります。
繊維を切断すると、その切断面から水が侵入します。
また、表面がツルツルだと木の板と板の重なりから水が
毛細管現象で侵入してしまいます。
これらによって、雨水が屋根板に留まり腐りやすくなってしまうのです。
文化財だから伝統的な建築技術を守る、というのはもちろんですが
その技術は、材料の性質を活かす、無駄にしない技術でもあります。

After

屋根板を新しく取り替えたわけではなく、裏返して使う再利用です。
置石や板が整えられました。
これら屋根板はすべて手作業で割っていることは、すでにお伝えしていますが
なぜ、機械で割らないのか?と質問を受けることがあります。
機械製材の板を使ってもいいのですが、
残念ながら早く屋根が傷みます。
写真の右下の板の束をよく見てください。
長手方向(木の繊維方向)に溝ができています。

これが大事なんです。
機械で板を切ってしまうと、木の繊維が切断されます。
また、つるっつるの溝のない綺麗な表面になり、
仕上がりは美しくなりますが、水の当たる屋根には
この美しさがあだとなります。
繊維を切断すると、その切断面から水が侵入します。
また、表面がツルツルだと木の板と板の重なりから水が
毛細管現象で侵入してしまいます。
これらによって、雨水が屋根板に留まり腐りやすくなってしまうのです。
文化財だから伝統的な建築技術を守る、というのはもちろんですが
その技術は、材料の性質を活かす、無駄にしない技術でもあります。
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