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旧平尾家屋根工事②

Before
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After
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屋根板を新しく取り替えたわけではなく、裏返して使う再利用です。
置石や板が整えられました。

これら屋根板はすべて手作業で割っていることは、すでにお伝えしていますが
なぜ、機械で割らないのか?と質問を受けることがあります。

機械製材の板を使ってもいいのですが、
残念ながら早く屋根が傷みます。
写真の右下の板の束をよく見てください。
長手方向(木の繊維方向)に溝ができています。

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これが大事なんです。

機械で板を切ってしまうと、木の繊維が切断されます。
また、つるっつるの溝のない綺麗な表面になり、
仕上がりは美しくなりますが、水の当たる屋根には
この美しさがあだとなります。

繊維を切断すると、その切断面から水が侵入します。
また、表面がツルツルだと木の板と板の重なりから水が
毛細管現象で侵入してしまいます。
これらによって、雨水が屋根板に留まり腐りやすくなってしまうのです。

文化財だから伝統的な建築技術を守る、というのはもちろんですが
その技術は、材料の性質を活かす、無駄にしない技術でもあります。








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旧平尾家屋根工事①

旧平尾家住宅の板葺き石置き屋根の板を
ひっくり返すというメンテナンス工事を行っています。

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なぜ、このようなメンテナンスが必要かというと
屋根板の外に出ている表面は、年々傷んでいきます。
また、屋根板を押さえるための石や桟木も雪によってずれてしまいます。

そこで、屋根板をひっくり返し今まで内側になっていた部分を
表にすることで新品同様の耐久性を復活させます。
そして、ずれてしまった石や桟木はきれいに並べ直します。

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建物の屋根を覆うための屋根はないので、
一日でできる範囲をまくって作業します。

板の端の黒ずんでいるところが、外側に出ていたところ。
ひっくり返し先端の傷んでいるところが内側になるように、
きれいな板の部分が外側になるように葺いていきます。

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金沢には木の屋根を専門に扱う職人はいません。
今は瓦職人さんによって、板を割る技術、板を葺く技術を守っていただいています。

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しかし次世代への技術継承が急務となっています。
ご興味ある方、いらっしゃいませんか?




ひなまつり

  • 2023/02/27 19:10
  • Category: 展示
もうすぐ雛まつり。

湯涌江戸村の各建物でも、雛人形を飾っています。

この雛人形は一番古いもので明治42年頃。
もちろん、すべての人形がそのころのものというわけではなく
少しずつ買い足されています。

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なので、よく見ると
あれ?人形がなんだか多い。

でも、オリジナルな雛飾りとして何だかこれはこれで
家族の温かみを感じていいです。
新しいお人形が増えた時のうれしさなどが想像できます。

ところで、雛人形を一つ一つ、じっくり見たことありますか?
例えば、三人官女の眉毛とか。

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きちんと描き分けられています。
眉毛あるなしのほか、お歯黒まで表現しているお人形もあるようです。
この眉毛なしとお歯黒、官女が既婚女性で子どもを産んだ経験があるか
ということを示しています。

湯涌江戸村では7基の雛人形が飾ってありますので
それぞれのお顔の違い、着物の違いなども楽しんでみてください。
展示は3月12日までです。


また、京都を中心に行われる町家の日イベントに併せ
金沢の町家では「金澤町家のおひなさま」(instagram @kanazawamachiya_ohinasama)が行われています。

町家カフェとなっているところが多いですので、
ぜひお雛さまと、おいしい時間をお過ごしください。



#金沢 #町家 #ひなまつり

かきもち編み体験

本日、立春ではありますが、当施設はまだまだ冬。
今日は冬のくらし体験として「かきもち編み」と「かんじき」の体験を行いました。

かきもちは一年のうちでも寒い時期に冷たい水で作られるお餅。
寒餅(かんもち)とも呼ばれています。
これを、薄く切って1か月ほど乾かして保存食にします。
おやつとしても食べられていたそうです。

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かきもち編み体験はこのかきもちを藁縄で編んでいく体験になります。

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お餅を並べて藁縄で挟んでいく作業。
ここはそこまで難しくないのですが
最後の縄なえと呼んでいる、藁をよって縄に
していく作業が難しい・・・

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おやつはイロリで焼いたおもちです。

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そのほか、かんじき体験。
片足脱げるハプニングもありましたが、だいぶお楽しみいただけたようです。
(実は、けっこう雪が締め固まっています・・・)

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ご参加くださった皆様
イベントへのご協力いただいた皆様
ありがとうございました。


#かんじき #かきもち #囲炉裏



明けましておめでとうございます。

  • 2023/01/08 16:55
  • Category: 日常
明けましておめでとうございます。
今年も、皆さまのお越しをお待ちしております。

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クリスマス大寒波によって、一時雪深くなりましたが
年末年始は思っていたよりも積もらず、本日も快晴。
このまま、雪が少ないことを願います。

1月~3月までの冬シーズン
毎週日曜日と祝日は茅葺農家である旧園田家住宅で
イロリに火を入れています。

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ただし、時間は午前9時~午後1時まで。
ちょっと早いです。

日曜の朝はゆっくりして、午後から江戸村行こうかな~
なぁんて思ってたら、イロリは終わってます。
江戸村行って、どこか周辺でランチでもしよっか
ぐらいのスケジュールでお越しください。

ちなみに、湯涌界隈のランチどころですが
・ゆのかわ (湯涌温泉観光協会HP
・高尾食堂 (湯涌温泉観光協会HP
・Cafe Lente (facebook)

ちょっと離れて
・とある丘 (instagram

ということで、江戸村⇒温泉⇒ランチなどいかがでしょうか?
温泉と江戸村の順番間違えると湯冷めしますので、お気をつけください。




#金沢 #湯涌

笑う門松

  • 2022/12/22 15:55
  • Category: 日常
なんとなく、クリスマスのない江戸村。
もう、気分はお正月です。

湯涌江戸村保存会の方が門松を作ってくれました。
竹を山から切ってくるところからスタート。

竹の切り口は他の竹とそろっていないとかっこ悪いので、
斜めに切るのは、慎重に。

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生け花みたいに、松や葉牡丹、南天などを飾っていきます。

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仕上げの葉っぱ。
杠ではないそうです。

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竹の節にこだわって切っていたので、なんでだろうと思っていたのですが
節のところで切ることで、竹が笑っているように見えるんですね。

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門松、設置完了。
笑う門には福来るですね。

みなさまを笑顔でお迎えします。



初雪と小学生

  • 2022/12/14 15:42
  • Category: 日常
金沢で初雪が観測されました。
平年より20日遅いらしいです。

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白いです。
冬だな。

イロリの暖かさが染みます。

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今日は初雪と一緒に、小学生たちが見学に来てくれました。
雪を見て「きっと地上は雨ですよねー」と言われてしまいました。
さすが、海側の子たちの感性。
なんとなく間違いではないような気がするのですが・・・
(ここも地上です、山ですけど。)

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午前中に来てくれたクラスさんたちは、ちょっと風が強くて
外での和傘体験ができませんでしたが
午後組みは、雪の中歩いてもらいました。

灰色のモノトーンな感じに和傘の色が映えます。

茅葺農家では湯涌江戸村保存会の皆さんが
こも編み機の体験を行ってくれました。

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こも編みはスムーズに進んだようで
イロリで暖まる時間も十分にあったようです。
ゆったり昔の暮らし体験。


本格的な冬が来ちゃいましたが、今後ともよろしくお願いします。




お正月飾りづくり

イベントとしては3年ぶりになるでしょうか。
お正月飾りづくりしました。

うれしい青空

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太陽がでて暖かいので、竹盆栽づくりの作業は外。
松、笹(竹)、梅、葉牡丹、南天、ヤブコウジを植えていきます。

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植え方は自由。
感性が試されるという緊張感があります。

もう一つが稲穂飾り。
江戸村の田んぼで育てた稲わらを使います。

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そのほか、稲わらで作った亀や唐辛子、ひょうたんなど江戸村産の縁起物を取り付けます。

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水引には悪戦苦闘でしたが、無事に終了。
立派な正月飾りがたくさんできあがりました。

ご参加くださったみなさま、講師をしてくださった保存会様
ありがとうございました。


冬の耐震補強

  • 2022/12/08 17:15
  • Category: 日常
当施設のある湯涌荒屋町は金沢市建築基準法施行規則では
垂直積雪量が2m以上となっています。

聞きなれない難しい言葉が並んでいますが、2m以上雪が家に積もって
屋根が重くなることを想定して耐震を考えてね、ということです。

ということで、冬期の積雪を考慮した耐震補強として
冬限定で正面に面格子を取り付けて耐力壁を作ります。

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この面格子が重い。

一間ほどの大きさの面格子を収納する場所も町家の一階部分にはないので
アマ(ミセノマ上部の物置)に毎回収納。
そのため、出し入れも梯子をかけて縄を使いながらの作業。

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ずっと設置したままであれば楽ですが、それでは蔀戸(しとみど)がふさがって
町家の特徴が伝わらない。
大変ですが、毎冬取り付け作業を行っています。

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管理をしていくうえで、改善策を考える必要のある課題です。







H+ART展 vol.13 ~それぞれのかたち~

  • 2022/11/25 16:49
  • Category: 展示
H+ART展 vol.13 ~それぞれのかたち~
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毎年、障害者週間(12/3~12/9)に合わせて松原愛育会 愛育学園さまと開催している作品展。
vol.13になりました。

気が付けば湯涌江戸村がオープンしてから13年間続いている作品展。
毎回、あらたな楽しさがあるので奥深い。

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今年のDMにもなっている作家さんの、他の作品。
規則性があるような、ないような
線の力強さ、そして色使いが印象に残ります。

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身の回りにあるものが、アートの材料になる
そんなことを教えてくれる作品

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ソリいっぱいの折り紙。
なんだか、大好きなおもちゃをたくさん詰め込んだ、みたいな感じ。
どれが、お気に入りのカタチ?

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見ていると楽しくなれる作品展。
手の動くまま、気持ちの動くままのアート

昨年と同じく、愛育学園さんだけでなく社会福祉法人松原愛育会の合同作品展です。
石川療育センター、ふじのき寮、ホームあさぎり台、生活支援センター雪見橋、七尾更生園、石川県立錦城学園
上記の施設の方々にも、ご協力いただいています。

さて皆さまは、どれがお好みでしょうか?


【展示期間】 11月25日(金) ~ 12月9日(金) 9:00~17:30(入園は17:00まで)(最終日は12:00まで)
【主催】 金沢湯涌江戸村・愛育学園
【出展協力】石川療育センター、ふじのき寮、ホームあさぎり台、生活支援センター雪見橋、七尾更生園、石川県立錦城学園




#アウトサイダーアート 

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プロフィール

金沢湯涌江戸村

Author:金沢湯涌江戸村
江戸時代の加賀藩ゆかりの場所に立てられた民家を移築保存し、展示している野外民家博物館です。
金沢駅から車で40分ほど離れた湯涌温泉郷にあります。
里山と古民家をぜひお楽しみ下さい。

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