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畳床(たたみどこ)

畳床
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寸法を整え、周りのわらを切っていないので
完成品ではありませんが、これが畳の中身。
重さ25kgぐらいの稲わらの層。

先日、金沢職人大学校畳科さんで畳床の制作が行われました。
何が珍しいかって、手床です。手床。
機械を使わず、すべて手作業でつくる畳床。
今では機械でピッと作ったり、
稲わらではなく、発砲スチロールだったりする畳床。

稲わらをこもで編むところから、すべて手作業という
貴重な仕事が、3年に一度、授業として行われています。

手床製作は、ざっくとわけて、3つ。
①こもや稲わらを層にしていく「しかけ」
②「縫う」
③「締める」

これら作業が3日間かけて行われました。
今回の作業前までに「しかけ」をするために、
稲わらをこもに編んでいく作業をされています。

こも編み。こんな感じ。
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写真は、手床製作の見学者さまのこも編み体験の様子。
体験しているのは、県外の畳屋さん。
手床製作なんて、ものすごく珍しいから、
製作期間中、県外からちらほらお客さまがいらっしゃっていました。

縫う。
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表側は目で確認できるけれど、裏側は手探り。
こもの網目や、前列の縫い目をガイドにします。
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まっすぐ針を刺し、縦横まっすぐに針を動かす
これができれば、等間隔にきれいに仕上がるのですが
言うは易し。

真ん中に進むにつれ手が届かなくなる。
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手と首がもう少し長ければ~
と愚痴ることになります。
表側はきれいに見えても、裏側はガッタガタだったり、
針の進めかたを、間違えたり。
作業されているのは、プロの畳職人さんですが、
手床作りは初めて。
1寸間隔で12列縫っていきます。
この作業だけで、1日とちょっとかかります。

縫い終わったら、締める。
これが、しんどい。
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縫った糸をさらに締めていくわけで、
糸を引っ張る回数は縫い目の数。
しかも、裏から締めたあと(荒締め)、
表からも締めます(真締め)。

しっかりと締めるためには、腰をかがめ
糸を引っ張り、畳床と糸の角を、かかとで踏み込みます。
これを、1000回以上やるわけですから、
糸を引く指は痛いし、かかとも痛い。
中腰体勢は腰にくる。
職人の皆さまは、この作業の前に手足にテーピングです。
そして作業が進むにつれ、さらにテーピングが増える。

締めの作業中は、この部屋の暖房はOFF。
外の気温が5度ぐらいにもかかわらず、薄着。
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作業スケジュールの都合上、
さいごには、講師の職人さん&畳科卒業生などの
応援が入り、一枚の畳に二人体制で締め作業。

一枚の手床を作るのに、これだけの手間と時間。
「これだけ手間かけてるから、昔の畳を捨てないでほしいな」と
ボソッと職人さんが言われた言葉に、なっとく。

昔の畳はもちろん手床。その一枚に多くの手間がかかっています。
しかも、手床を作れる職人なんて、今は、いないに等しい。
手床の畳は、とっても貴重な一枚。
捨てるのは、もったいない。
畳表を換えれば、十分使えるのです。

江戸村の建物には、実際に金沢職人大学校の畳科さんたちが
製作された手床や、保存修復された畳のある建物があります。
畳に興味を持たれた方、ぜひホンモノの踏み心地を体感してください。

金沢職人大学校畳科の皆さま、お疲れ様でした。




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旧正月の団らん

かきもち編み体験。

稲わらをくるくる。
この「縄をなう」作業、難しい。

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保存会さまの指導のもと、稲わらをくるくる。
おばあちゃんががんばっているとなりで、
少年はあぶりもちをパクパク。

体験とは別に、保存会さまが編んでくれたかきもちを、
旧野本家に吊るしました。

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柿、大根に続き、かきもちも干します。
干して、保管する。
暮らしの知恵ですね。

作業、終了。

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昔の冬の暮らし再現として、一ヶ月程度、
展示しますので、ぜひご覧ください。



寒糊炊き

1月20日(日)は大寒。
金沢職人大学校の表具科さんで寒糊炊きが行われる
というお知らせをいただき、見学させていただきました。
※表具科さんに所属するのは、現役の表具師さんたちです。

寒糊炊きとは、大寒のときに作る表具師さんが
掛け軸などの“裏打ち”に使う糊づくり。
冷たく、雑菌の少ないきれいな井戸水が使われます。
寒い時期に、きれいな水で作ることで、
腐りにくい糊ができるというわけです。

冷たいきれいな水なら、水道水でもいいのでは?
と、思ってしまうところですが
カルキがだめ、だそうです。

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使われる材料は、グルテンフリーの小麦粉。
すなわち、でんぷん。
小麦粉を布袋につめ、
水の中で揉むと出てくる白いやつ。
袋に残ったグルテンはお麩になります。

でんぷんと井戸水を釜の中に入れ、
粘りが出るまで炊く。

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はじめのうちは、しゃばしゃばの状態なので
木の棒でかるーく、かき混ぜるぐらいでOK。

沸騰してくると、だんだん粘りがでてきます。
こうなると、釜のそこに糊がくっつかないよう、
かき混ぜます。

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この作業が、重い。
一人でずーっとかき混ぜるのは無理なので、
腕、やばい!ってなったら、交代。

透き通った白色になったら終了。

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甕に移して、5~10年寝かせます。

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障子を貼るということであれば、
この出来たて寒糊を使うこともできますが、
今回は、掛け軸などの裏打ちに使うための糊づくり。
粘着力がありすぎると、使えません。
というのも、掛け軸や、巻物は広げたり、丸めたりするため、
固くパリッとしてしまう強い糊は、使えないのです。
また、修繕しながら使い続けるものだからでもあります。
がっちり糊でくっつけてしまうと、将来起こりうる“修繕”で
絵や文字が描かれた本紙を傷めてしまうこともある。

美術館、博物館で展示されている掛け軸も
今、見ることができるのは、糊という材料への気遣いもあってこそ。

掛け軸や巻物、屏風など、素敵な絵を見るだけでなく
たまには、表装やら糊にまで、思いを馳せていただくと
表具師さんたちが喜ぶと思われます。





左義長

  • 2019/01/13 15:23
  • Category: 日常
一筋のすーっとした“もや”
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と思ったら、煙。
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焚き火か。

と、のんきに思考が通りすぎるところでした。

浅野川をはさんだ向こう側にある大杉少彦名神社さまは、
今日が左義長のようです。

サンギリコ、サギッチョ、サンギンチョウ、チャンギッコ、チャンギリコ

地方によって「どんど焼」「鬼火焚き」とも言われる「左義長」、
金沢市史によると、金沢市内でも地区によって
上の例のように微妙に言い方が違ったようです。
そうなると、気になるのが、現代でも違うのだろうかということ。
手っ取り早く、湯涌の言葉調査。
70代の方に聞いてみたところ、
「さぎちょう」と、お答えいただきました。

これにて、調査終了。




悩ましき積雪

  • 2019/01/09 12:05
  • Category: 日常
雪が少ない。

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雪かきはしますが、昨シーズンほどではありません。
↓今日2019年1月9日の様子↓
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↓昨年2018年1月12日の様子↓
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ご存知の通り、1月末~2月半ばにかけて
さらにたっくさんの雪が降り、まぁ大変なことになりました。
ご支援、ご協力くださった皆様、その節はお世話になりました。

⑦

で、今年は雪が少ない。
管理という点では、とてもありがたいのですが、
1月27日(日)は氷室の雪つめに合わせて、雪遊びを開催予定。

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氷室の雪つめは大丈夫かと思われますが、
今の状況だと、雪山をつくることができるほどの積雪がなく、
雪遊びの開催がちょっと危うい。


今年もよろしくお願いします。

  • 2019/01/01 15:58
  • Category: 日常
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ、よろしくお願いします。

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今年最初の写真は、お客様が作っていかれた雪だるま。
かなり大きいサイズ。
制作から一日経っていますので、ちょっと溶けぎみ。

雪は余るほどありますので、雪だるまに限らず、
雪の彫像など作りたい方、どうぞご自由に雪をお使いください。

もくもくしますよ~、と前回の日記に書いた
福茶・大福茶のイロリ準備。
新年早々、もくもくさせすぎました。

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福茶・大福茶のふるまいに、お越しくださった皆さま、
ありがとうございました。
運試し的な福茶は、毎年盛り上がりますし、
大福茶もわざわざ元旦に来てくださって
職員一同、皆さまから幸せをいただいております。

さて、江戸村のお正月イベント、明後日1月3日も開催します。
旧園田家にて、ぜんざいのおもてなしです。
イロリを囲んで、あったかいぜんざいをどうぞ。

また、旧山川家の奥座敷ではお正月写真スポット設置中です。
SNSでの新年の自撮り挨拶用、または来年の年賀状にどうぞ。

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年末年始も江戸村やってます。

  • 2018/12/28 14:42
  • Category: 日常
イロリに火を入れると、
もくもくします。

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焚き付け用の木から、
炭に火が移り、しばらくすると
もくもくもなくなります。
吹き抜け空間に溜まった煙に
光が差し込む、この感じ、
おすすめです。

12月31日と1月1日は、イロリを使って
お茶のふるまいを行います。

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そんなわけで、朝いちに来ていただくと、
このもくもく光景をご見学いただけます。

もくもくは、ちょっと苦手だな、というかたは
ゆっくりめにご来園いただくと、
すっきりクリアな視界になっています。

さて、旧山川家の奥座敷も、すっかり、お正月。

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こたつの魔力がいっそう強まる時ですが、
皆さまのお越しを、江戸村でお待ちしております。





天神堂飾り

  • 2018/12/23 14:51
  • Category: 展示
12月25日といえば、学問の神様でおなじみ菅原道真の月命日。
毎年恒例、この時期は天神飾りです。

金沢で広まった箱天神。
飾らないときは、一つの箱にまとめられるという優れもの。
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組み立て中。
侮るなかれ、結構パーツが多い。
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できあがり。
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気づかれた方、いると思います。
飾るより、片付けるのが一苦労。
蓋が閉まらないよ~、
とあたふたするのも、恒例。

こちらは、ほぼ組み立てられている
精巧なつくりの天神堂。
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箱天神に比べると、ずいぶんと大きいです。

ご自宅に飾らずに眠っている天神堂や、天神飾りありませんか。
飾るなら、この時期ですよ。
学生さんがいるお宅なら、なおさら。

床の間や座敷に飾るのが、本来の飾り方ですが、
文化が変わるのにあわせ、家の形も変わります。
それぞれの家に合わせた飾り方をしてあげれば、きっと大丈夫。

せっかくですから、飾ってあげてください。


明日は冬至

  • 2018/12/21 16:50
  • Category: 日常
旧平尾家の土塀を覆っていた素屋根が解体されました。

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なんとなく武家ゾーン感が出てきました。
塀の連続性も、ちょっとわくわく。

えっ、いつ雪降りましたっけ?ぶりに雪に再会。
日陰は溶けないのですね。

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この時期としては、めずらしくというか、初めてではないか
と思われる雪の無い園内。(一部、溶け残りあり。)
お散歩するなら、今です。

見学中に寒くなったら、湯涌の総湯白鷺の湯へどうぞ。
明日は冬至。
というわけで、明日22日と、あさって23日は、ゆず湯だそうです。

行く順番間違えると、湯冷めしますので
お気をつけください。




富士山の年賀状

今朝は、かなりの冷え込み。
霜が、つんつん。
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茅の一本一本に霜がついてます。
雪が積もってるわけではないけど、
茅葺屋根が全体的に白っぽい。
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そんな朝となりましたが、本日、
富士山型の年賀状づくりを開催しました。
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富士山の型枠に、紙料を流します。
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雪をたくさん被った富士山や、
雪控えめ富士山など、
一つとして同じものがない、オリジナルのカード。
切手を貼れば、ちゃんと送れます。
作ってくださった皆さま、
大切な方への一点ものの年賀状として、どうぞ。

朝の寒さを、忘れるぐらいの青空。
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寒い季節となりましたが、ご参加くださった皆様
ありがとうございました。
これで、今年度の紙漉きは終了となります。
また来年度、どうぞよろしくお願いします。


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プロフィール

金沢湯涌江戸村

Author:金沢湯涌江戸村
江戸時代の加賀藩ゆかりの場所に立てられた民家を移築保存し、展示している野外民家博物館です。
金沢駅から車で40分ほど離れた湯涌温泉郷にあります。
里山と古民家をぜひお楽しみ下さい。

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