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畳床(たたみどこ)

畳床
190213-2.jpg

寸法を整え、周りのわらを切っていないので
完成品ではありませんが、これが畳の中身。
重さ25kgぐらいの稲わらの層。

先日、金沢職人大学校畳科さんで畳床の制作が行われました。
何が珍しいかって、手床です。手床。
機械を使わず、すべて手作業でつくる畳床。
今では機械でピッと作ったり、
稲わらではなく、発砲スチロールだったりする畳床。

稲わらをこもで編むところから、すべて手作業という
貴重な仕事が、3年に一度、授業として行われています。

手床製作は、ざっくとわけて、3つ。
①こもや稲わらを層にしていく「しかけ」
②「縫う」
③「締める」

これら作業が3日間かけて行われました。
今回の作業前までに「しかけ」をするために、
稲わらをこもに編んでいく作業をされています。

こも編み。こんな感じ。
190213-1.jpg

写真は、手床製作の見学者さまのこも編み体験の様子。
体験しているのは、県外の畳屋さん。
手床製作なんて、ものすごく珍しいから、
製作期間中、県外からちらほらお客さまがいらっしゃっていました。

縫う。
190213-3.jpg

表側は目で確認できるけれど、裏側は手探り。
こもの網目や、前列の縫い目をガイドにします。
190213-4.jpg

まっすぐ針を刺し、縦横まっすぐに針を動かす
これができれば、等間隔にきれいに仕上がるのですが
言うは易し。

真ん中に進むにつれ手が届かなくなる。
190213-8.jpg

手と首がもう少し長ければ~
と愚痴ることになります。
表側はきれいに見えても、裏側はガッタガタだったり、
針の進めかたを、間違えたり。
作業されているのは、プロの畳職人さんですが、
手床作りは初めて。
1寸間隔で12列縫っていきます。
この作業だけで、1日とちょっとかかります。

縫い終わったら、締める。
これが、しんどい。
190213-6.jpg

縫った糸をさらに締めていくわけで、
糸を引っ張る回数は縫い目の数。
しかも、裏から締めたあと(荒締め)、
表からも締めます(真締め)。

しっかりと締めるためには、腰をかがめ
糸を引っ張り、畳床と糸の角を、かかとで踏み込みます。
これを、1000回以上やるわけですから、
糸を引く指は痛いし、かかとも痛い。
中腰体勢は腰にくる。
職人の皆さまは、この作業の前に手足にテーピングです。
そして作業が進むにつれ、さらにテーピングが増える。

締めの作業中は、この部屋の暖房はOFF。
外の気温が5度ぐらいにもかかわらず、薄着。
190213-7.jpg

作業スケジュールの都合上、
さいごには、講師の職人さん&畳科卒業生などの
応援が入り、一枚の畳に二人体制で締め作業。

一枚の手床を作るのに、これだけの手間と時間。
「これだけ手間かけてるから、昔の畳を捨てないでほしいな」と
ボソッと職人さんが言われた言葉に、なっとく。

昔の畳はもちろん手床。その一枚に多くの手間がかかっています。
しかも、手床を作れる職人なんて、今は、いないに等しい。
手床の畳は、とっても貴重な一枚。
捨てるのは、もったいない。
畳表を換えれば、十分使えるのです。

江戸村の建物には、実際に金沢職人大学校の畳科さんたちが
製作された手床や、保存修復された畳のある建物があります。
畳に興味を持たれた方、ぜひホンモノの踏み心地を体感してください。

金沢職人大学校畳科の皆さま、お疲れ様でした。




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プロフィール

金沢湯涌江戸村

Author:金沢湯涌江戸村
江戸時代の加賀藩ゆかりの場所に立てられた民家を移築保存し、展示している野外民家博物館です。
金沢駅から車で40分ほど離れた湯涌温泉郷にあります。
里山と古民家をぜひお楽しみ下さい。

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